ハルキへ。

「なにしてんの?」

「昼寝。」

「楽しい?」

「ん~、気持ちいい。学校は?休み?」

「午前授業」

「そっか~、いいな。」

 

夜まで予定が無かったのでパンを買って河原で食べつつ、チョット鴨にあげつつ、あげすぎず。

食べ終わってゴロンとしていると、いつの間にか近所の少年「ハルキ」が立っていた。

完全初対面だ。

別に悪いことは一つもしてないが、子供とは言え、初対面の人間と横たわったまま話をしてるのは失礼極まりない気がして起き上がってしまった。チクショウ。

 

「鴨いっぱい居るよ、なにしてんのかな?」

「エサ待ってんだべ、さっき俺あげてたから。」

「楽しい?ね楽しい?」

「ま楽しいよ、お前もやってみるか?ほら」

買ったばかりの食パンを一枚取り出し、半分を出会って数分の小学生に。

「こうやって少しずつ千切ってギュっとやって投げてみ。ほら」

争う鴨。

「すごいね!喧嘩してるの?」

「だな。」

「えい!」

「あ!?」

 

少しずつ千切らず、

ギュっとやらず。

彼は投げた。

クソガキが投げた。

見たこともない争奪戦を繰り広げる鴨。

 

「すごいね!喧嘩すごいね!」

「あー。すごいな。」精一杯大人の対応。

「あれハイエース?新型?」え!?次の話題!?

「あー新型だな、車好きなの?」

「うんハルキドリフト系が好き!」

「兄ちゃんドリフト系何が好き?」ドリフト系だと。

「セブンかな。」

「おれソアラ!」ソアラかぁ、どんなだろう。

「あれはいいよな。」どんなだっけ。

「鴨待ってるよ?エサは?」ねぇよ

「もう無いよ、お前一気に投げるから。」

「あれ何?ブア~ってなってるの。」  !?

「あれは、、。風で、、水面に~波が出来てるんだな、多分。」

 

チョット変わった子だという事に気づく下田。

その後も終始ハルキペース。

一時間強。

下田疲れる。

 

「じゃそろそろ帰るわ。」

「こんどハルキんち遊びに来ればいいじゃん。」目がマジだ。

「おう、近いのか?」

「すぐそこだよ。」なんか胸が痛い。

「また会ったらな。」

「明日も来る?」

「明日は来ないな。たまに居るからさ。」

「また遊べる?」なんか泣きそう。

「遊べるって!またな。」質問攻めハルキよ。

「自転車?」

「うん、このチャリシボレーだぞ!外車の。」

「へえ。」国産専門か、お前は。

「じゃあな、気をつけろよ。」

「うん。」寂しい顔は勘弁してくれ。

 

土手に上がり砂利道を走る俺をずっと見上げてるハルキ。

 

 

 

「自転車楽しい?」

「おう楽しいよ。」

「かっこいい?」

「かっこいいかっこいい!じゃあな!」

 

なんだお前、めっちゃかわいいな。

 

すげー真っすぐだな。